最大かつ世界的にも注目されているインテリアの展示会「Maison & Objet 2019 Sprinng(メゾン・エ・オブジェ)」が2019年1月18日 ~22日、パリノール・ヴィルパント見本市会場で開催された。「メゾン・エ・オブジェ」は年に2回、1月と9月にパリで開催される専門家のためのライフスタイルショー。装飾・デザイン・家具・アクセサリー・テキスタイル・フレグランス・食器など、生活を彩るすべての商品が展示される。ビジネスとデザインの交差点としてそのユニークな多様性を求めて世界中から関係者が集まる。2019年は、来場者数160ヶ国から84,000人余り、出展企業数は65ヶ国から2910ブランドの出展があった。
130,000㎡にもなる会場には9つのホールがある。会場構成は大きく2つにわかれており、インテリアやインテリアデコレーション、空間デザインのスタイル提案の「MASION」のブース、さまざまの身の回りの雑貨、デコレーションに彩りを与えるオブジェが並ぶ「OBJET」のブースがある。よりバイイングがしやすいように再編成され評判も良好ようだ。社会的迷走による経済的危機、デジタルテクノロジーの進化によるストレス、不安、怒り、自身喪失などより、アイデンティティを求めるように思われる。その影響か日常を再構築する時代のトレンドが多くみられた。
Point of view (1)
<カラー Color>
会場で目についたのが、全体に彩度がアップしてきれいな色目に変化。ブルーはより彩度アップした鮮やかな深みのあるUltramarineの空間が目立っていた。アースピンクとレッドの組み合わせ、ティールグリーンから青磁色、ポーセレンに淡く穏やかな空間、そしてブラックというよりは墨色の組み合わせが気になりました。
■ペールピンク+オレンジレッド
常にインテリアシーンには、衝撃的なアクセントカラーとして登場するのが赤。今回は淡いピンクやアースピンクにオレンジレッドをアクセントして組み合わせが印象的だった。一昨年からのテラコッタのくすんだオレンジは陰を潜め、テラコッタピンクとして健在。より甘くなり、オレンジに近いレッドとの組み合わせに新鮮さを感じさせるシーンが多く見られた。また、イエローとの組み合わせは明るく楽しくなるカラーミックスが、元気になる組み合わせとしてもたくさん見られた。
■ULTRAMARINE BLUE /ウラトラマリン ブルー
より彩度アップした鮮やかな深みのあるウルトラマリーンの空間は、新しい極上シーンとなっていた。ブルーは馴染みのあるカラーだが、ここまで深みのあるウルトラマリーンブルーは新鮮に映る。ジェルバゾニーの深いブルーはアクセントカラーとしてではなく主役になっていた。彩度の高いブルーのベルベットのソファはノスタルジックな雰囲気を醸し出していて今一番の注目。馴染みのあるインディゴブルーも鮮やかさを加えると、高級感が漂う。
■SMOKED CELADON/スモーキーセラドン 青磁色
セラドンは中国で発達した磁器の青緑~淡い緑色で、いつの時代にも愛されている。今回は、落ち着きのあるスモーキーな雰囲気の淡い青磁色の持つ神秘さが洗練されたインテリアシーンを作りだしていた。同色相で明度差をつけたベッドリネンは優しく癒やされる。また食器などさまざまなアイテムに使われいた。
■Sensibility of Black /繊細な墨色
墨色は灰色がかった黒、インクブラックのコーディネート。カラーミックスしたポップな色遣いが目を引く一方で、大胆にインクブラックで目を引いていたのが、TOM DIXONのブース、ブース内は白で構成されその対比が商品をより個性的にみせていた。社会全体の不安からか、心のコントロールが重要になり、禅のブームなどの影響、癒やしを求めて繊細な墨色のコーディネートなど、デープな空間はますます発展しそうだ。次のシーズンには、ブラックにブラウン系がアクセントカラーとして登場するようだ。
次回は、Point of View -2 <素材・パターン Material & Pattern>